病院清掃 感染防止対策と適正洗剤

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2019.07.22|外部研修

病院清掃業務を担う企業として、未来への責任を果たすために
スパルタンケミカル社・シャウフ氏の講演を聞いて

全スタッフで「高レベルな清掃技術を追求する」という意識を共有

ビルメンテナンスに必要な技術は、めざましいスピードで進化しています。お客様にとって満足度の高いサービスをご提供するために、私たちビーエムアドバンスのビルメンテナンス事業部では、定期的に外部から講師をお招きし、研修を行っています。2019年5月には、株式会社サンワ様よりご紹介いただき、西日暮里の東京ビルメンテナンス会館にて開催された株式会社アムテック様主催の講演に、社長の馬場と主任クラスの社員2名が参加。アメリカのトップケミカルメーカー、スパルタンケミカル社でディレクターを務めるジョン・シャウフ氏のお話を拝聴しました。
今回、私たちが研修に参加した目的は、主に、「新しい洗剤の情報を入手するため」でした。今年度より、「あらゆる業態のなかで、もっとも高い衛生レベルを求められる病院清掃に注力する」という社長命が全スタッフで共有されており、とりわけ、病院清掃に携わるスタッフは従来にまして、感染防止に対する意識を高めようという思いを強くしています。同時に、新人スタッフのみならず、業務を知り尽くしたベテランのスタッフからも、洗剤の使い分けや除菌方法についてのオペレーションなど、現場責任者や主任への問い合わせが多くなってきました。そうしたスタッフの動きから、主任クラス以上の本社責任者や現場を管轄する責任者も、これまで以上に高レベルの衛生環境を求めようという意識が強化。新しい資機材の知識や、資機材の適切な使用方法などに対する関心がますます強くなってきました。このような動きのなか、幸いにも株式会社サンワ様のご紹介により、世界を牽引するケミカルメーカー、スパルタンケミカル社のジョン・シャウフ氏のお話をお聞きする機会をいただきました。このチャンスを与えてくれた株式会社アムテック様、株式会社サンワ様には、改めて感謝いたします。

シャウフ氏と当社スタッフ

「地道な労を惜しみ、『洗剤頼み』に陥っていないか」という自省

シャウフ氏のお話をお聞きして、はじめに実感したのは、アメリカと日本では、感染防止を目的とする洗剤の使い方や除菌の概念において、大きな違いが見られることです。自省も含み、日本では、非常に多くのビルメンテナンス関連会社が洗剤の性能にとらわれている、ということに気づかされました。シャウフ氏はその一例として、「日本の清掃会社から、『魔法のような洗剤はありませんか』と尋ねられることが多い」というエピソードを挙げられました。シャウフ氏によれば、「魔法のような洗剤」とはすなわち、「100%除菌できる洗剤」のこと。つまり、日米問わず多くの企業はできる限り労を減らし、簡単に除菌できる手段を見つけようとしている、というのです。このお話を耳にして、「もしかしたら、私たちも同じではないか」と改めて考えさせられました。もちろん、ビル清掃に関わるすべての企業がそうだという訳ではありません。労を惜しまず、常に万全の体制で作業を遂行している勤勉な企業もあるでしょう。少なからず、私たちもそうした意識を持っていたつもりです。しかしその一方、洗剤の性能に目を向けたスタッフ教育が、当たり前のように行われてるのではないかと気づかされ、社内教育のあり方を今一度見直すべきだと実感しました。
確かに、洗剤の能力は清掃業務にとって、重要な指標です。しかし、洗剤そのものの能力を頼りにするあまり、つい地道な清掃作業を怠ったり、楽をしようとしたりしていたのではないだろうか…。しらずしらずのうち、そうした怠惰な姿勢に陥っていたかもしれないと気づかされ、私は思わずぞっとしました。
ビルの清掃業務でもっとも大切なことは、どれだけ適切に清拭を行い、汚れや埃をきちんと洗浄するのか、ということです。まずはそれを徹底することが必要で、洗剤を活用した除菌を行うことは、その次のステップであるべきなのです。汚れは細菌の餌となるものですから、はじめにそうした汚れを完全に取り去ることを、私たちは徹底しなければなりません。「どのような洗剤で除菌をするのか」という問題はその次の段階です。そしてそれに続く段階として、「どの部分に、どのような除菌剤を使用するのか」、つまり、「どのような細菌やウイルスの感染防止に対して適正な洗剤を用いるべきか」「建物の特性(病院なのか、あるいは商業施設なのか、など)に合わせ、どのように洗剤を選ぶべきか」というテーマが発生してくるのです。

病院清掃

「私たちの手法は間違っていなかった」という自覚と自信

シャウフ氏のお話では、嬉しいこともありました。たとえば、「清掃作業をするうえで大切なのは、手洗いや手指消毒である」というお話です。シャウフ氏は、「流水と石鹸での手洗いや、アルコールジェルなどによる手指消毒によって、作業員自身の感染を防ぐこと、そして、感染の拡散を防止すること、さらに、自らが感染源とならないことが大切だ」とお話しされたのです。これは、私たちがこれまで実践してきたことと同じであり、私たちの考えは正しかったのだということを確信しました。
また、病院清掃におけるEPA登録洗剤も、講演のテーマのひとつとなりました。これについては、講演会に出席していた他社の方々からもたくさんの質問が寄せられており、ビル清掃に関わる企業の多くがどれだけEPA登録洗剤について強い関心を持っているか、改めて感じさせられました。シャウフ氏のお話のなかでは、「次亜塩素酸ナトリウムを用いたエンベロープウイルスと非エンベロープウイルスの対応」もテーマにあがりました。当社では以前より、次亜塩素酸ナトリウムだけでなく、それ以外の洗剤でも非エンベロープウイルスに対応できることが話題になっていたため、シャウフ氏のお話はスムーズに理解することができました。また、「EPA洗剤をどのように位置付けるべきか」「数多く存在するEPA洗剤のなかで、一体、どれを選択するべきなのか」という点についてシャウフ氏は見解を述べられ、それらの内容も常々、私たちが実践していることと合致していました。さらに、「高頻度接触面を中心として一方方向の清拭を行うなど、適切な除菌が必要だ」という一連の作業についても、シャウフ氏の見解は当社が実践しているオペレーションと合致していました。

院内の感染防止指導

私たちが果たすべき「責任」と「役割」とは?

シャウフ氏によれば、清掃業務に関する基本的な認識や、洗剤に対する考え方に続いて、私たちが次に考えなければならないのは、「環境に対してどれだけやさしい資機材を使い、責任感をもって業務に携わるべきか」ということだそうです。環境問題は非常に広範囲に渡りますし、汚れや埃を落とす作業のように、すぐさま作業の良し悪しを判断できるものではないため、つい、後回しにしてしまう、ということもあるかもしれません。しかし、世界レベルで環境汚染や自然破壊が進んでいる現状を考えれば、決して後回しにすることは許されず、待ったなしの状況なのだということを改めて知ることになりました。
日本に比べ、海外の洗剤が進化していると感じられたのは、たとえば海外では、微生物を配合した洗剤を使用するケースが多いということです。微生物を配合した洗剤は環境にやさしいだけでなく、清掃効率もよく、感染予防の効果も期待できます。実際、海外ではそうした洗剤のレパートリーが豊富であり、ビル清掃企業のなかには、すでにそれらを実践的に導入しているところも多いそうです。そうした点で、日本は海外に比べて発展の途上であると実感しました。
微生物配合洗剤を使って清掃を行うように、微生物の力を利用して衛生環境を整え、清掃業務を行うことを、一般に「バイオメンテナンス」と呼びます。その機序を簡単に説明すると、まず、微生物が糖分や炭水化物、タンパク質、脂肪などを食べます。すると、微生物は酵素を生み、その酵素が汚れを除去して、細菌やウイルスの増殖を防ぐという流れになります。化学的に製造される洗剤のように、迅速な除菌効果を望むことはできず、時間をかけてゆっくり効果を出すことが大前提となっているため、バイオメンテナンスを実践へ取り入れるには、どのような場所が適しているのか、また、いつから、どのように始めるのかなど、事前に考慮しなければならないことがたくさんあります。もちろん自社だけでできることではなく、ビルや施設のオーナー様、さらに、クライアント様との話し合いも必要です。バイオメンテナンスの価値と意義をご説明し、納得して頂いてから導入しなければなりません。そのために、私たち自身がバイオメンテナンスに関する知識を深め、しっかりと理解できていなければ、オーナー様やクライアント様のご協力をいただくことは難しいでしょう。

清掃シルエット

しかし今後、世界的な潮流として、必ずバイオメンテナンスは標準化されます。その流れは、いずれ日本にも波及するでしょう。今回の研修をきっかけに、日本でビル清掃業務を牽引する企業として、私たちはあらゆる角度から洗剤についてもっと学ばなければという思いを強くしました。マクロな視点で考えれば、清掃や衛生に関わる業務を生業とする私たちは、環境に対する責任を持っています。それは言い換えれば、「私たちは日本だけでなく、世界の将来を考えていくべきだ」ということになるでしょう。これをもっとミクロな視点に置き換え、たとえば「病院清掃」という範疇で考えれば、私たちは「病院」という医療機関の安全環境を守る、重要な責任を担っていることになります。そして、私たちが守るべきものは、患者様やそこで働くすべての方々の、健康的でサスティナブルな生活ということになるのです。
 現在、私たちビーエムアドバンスは、「もっとも高い衛生レベルを求められる病院清掃に注力する」という使命を胸に、毎日の業務に取り組んでいます。今回拝聴したシャウフ氏の講演は、日々、コツコツとこなしている清掃業務を振り返り、改めて、私たちが果たすべき義務と責任について思いを至す良い契機となりました。

当日の題目
・バイオクリーナーの効果について
・環境対応製品の現状
・医療機関(病院)、介護施設の除菌クリーニングについて
・世界のメンテナンスの最新情報について
【主催】株式会社アムテック
外部研修での質疑応答

総合ビルメンテナンス事業の概要

清掃管理 建物の機能とグレードを保つには、毎日の清掃をはじめ、日常清掃ではカバーできない定期的な専門清掃が重要。熟練したスタッフによるプロの清掃技術で、訪れる人やそこで暮らす人々に、安全で快適な建物環境を提供します。
●日常清掃、定期清掃、巡回清掃
●特別清掃(窓ガラス清掃、外壁洗浄、大理石研磨等)
●塵芥処理
●グリストラップ清掃
警備・保安サービス いつ起こるか分からない事故や犯罪などのトラブルを未然に防ぐために、効率的な防災・防火・防犯管理業務を行い、緊急時に迅速に対応できる体制を確立します。専門教育と訓練を受けた警備員が、建物イメージを損わないマナーを大切にしつつ、皆様の安全確保に努めます。
●常駐警備
●巡回警備
●駐車場警備
環境・衛生管理 衛生的・健康的な建物環境を保持するには、空調や給排水システムの厳格なチェック体制が欠かせません。建築基準法やビル管理法など関連法令に基づき、室内空気環境測定や水質測定を適切に実施し、改善策の提案を行っています。
●室内空気環境測定/空調設備運転・保守
●水質測定/水槽類・排水管洗浄
●ねずみ・害虫類の防除
設備点検・管理 建物内部の電気設備や防災設備を保守点検し、安全で効率的なメンテナンス作業を行うと共に、万が一のトラブルの際には迅速に修理・対応いたします。築年数の経過したビルから最新式の建物まで、あらゆる設備に対応するエンジニアが業務に当たります。
●設備の保守・日常点検
●設備の法定点検
●各種修繕工事
造園・植栽管理 都市の緑化対策が推し進められる近年、ビル・マンションの緑地もますます重要視されています。緑の特性や環境に配慮した植栽管理技術を駆使して、お客様のニーズに沿った快適なリラクゼーションスペースを提供します。
●定期剪定
●雑草の除去、消毒作業、清掃
●緑地改修の提案
スチュワード業務 ホテル、レストラン、宴会場のスチュワード業務を、作業の効率化や品質の均一化を重視しながら実施します。
●食器洗浄
●食器メンテナンス
●食器保管・管理(インベントリーチェック)
●セッティング・スタンバイ
●ヤード回収/ギャベジルーム管理
その他 リフォーム工事、大規模修繕工事、退去立会代行・原状回復工事、不動産売買仲介、資産活用のご相談等

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社名 株式会社ビーエムアドバンス
本社 〒192-0033 東京都八王子市高倉町1番地8
042-660-5689 | fax. 042-660-5739
E-mail お問合せフォーム|infobma2001.co.jp
URL https://www.bma2001.co.jp/

定期清掃の風景

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「清掃技術」「危機管理」「ホスピタリティ」のそれぞれの分野にリーダーを設け、問題の報告や改善後のルール導入に責任を持って対応いたします。

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当社指導員や外部コンサルタントによる教育を通じて、段階的に高度なスキルを持つだけでなく、人間としての向上心や知性を磨き、人間力も高めていきます。

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  • 新規スタッフトレーニング
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資機材メーカー主催の外部研修や最先端の清掃ロボット研修等にも参加し、常に新しく適正な清掃資機材及び機器の研究を続けています。

  • 資機材メーカー外部研修
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  • コンサルティングによる研修
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